化学生物総合管理

著者名:  検索語:

TOP > 巻号一覧 > 目次一覧 > 書誌事項
弟9巻 , 弟1号 , (pp.38-90)
[PDF (1247K)]

化学物質総合管理に関する活動評価−2005年度から2011年度までの評価結果の総括−
結城命夫、磯知香子、吉原有里、福田早希子、増田優
お茶の水女子大学 ライフワールド・ウオッチセンター
化学物質総合管理に係る活動の評価に関する調査研究に2003年度から着手して、2005年度からはハザード評価、曝露評価、リスク評価、リスク管理の化学物質総合管理の全要素を網羅した評価を実施してきた。それぞれの年度の評価結果はその都度個別に公表してきたが、政府機関などの他のセクターとの比較も念頭に置きながら時系列的な推移なども検証しつつ総括して考察を行う。
評価を行うに当たって毎年度各企業にアンケート調査を実施し、この7年間で354社から1160件の情報を得た。各企業の一番新しい情報をその企業の現状値と位置付けて最高値を100に換算した総合到達度を算出すると354社の現状値の平均は48である。これに対して政府機関の総合到達度の平均は26で企業の総合到達度と比較して半分強と低い水準である。そして7年間の回答回数が多い企業ほど総合到達度が高い傾向がある。また、売上高などの企業の事業規模と総合到達度との間には一定の相関関係がみられるものの、一方でそれに関係なく常に総合到達度が低い一群の企業も存在する。354社の各年度の総合到達度を単純に比較すると2005年度から2011年度までの間で8向上しているが、7年間毎年度回答した22社に限定して集計すると向上幅は3である。化学物質総合管理の能力と実態は着実に向上しているがその変化の幅はさほど大きくない。それらの水準からみると政府機関のみならず全業種分野において更なる化学物質総合管理への取り組みの強化が必要である。
Keywords: 化学物質総合管理 , 評価指標 , 評価軸 , 評価要素 , 管理の視点 , 企業行動 ,
[PDF (1247K)]

Adobe Reader のダウンロードはこちら