化学生物総合管理

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第8巻 , 第2号 , (pp.95-125)
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化学物質総合管理による能力強化策に関する研究(その16)−計画と呼ぶに値しない日本のSAICM国内実施計画の検証−
星川欣孝、増田 優
お茶の水女子大学 ライフワールド・ウオッチセンター
この報文では化学物質管理に携わる関係省庁が2012年9月に発表し国際機関に提出した日本のSAICM国内実施計画について、その策定の目的や内容の問題点および策定過程の欠陥などについて検証した結果を紹介する。その文書の目的および内容は、政府が国際的に公約したSAICM基本文書に規定される社会の化学物質管理能力を強化するための行動計画から全く逸脱しており、日本国として国際機関に提出するに値しない単なる関係省庁の参考資料に過ぎないものであった。また、策定過程で行われたパブリック・コメント手続きにおける応募意見の処理は行政手続法の理念を蔑にする全く非民主的な扱いであった。
それゆえそのような現状に対して、関係省庁の縦割り行政を抜本的に改めるには福島原発国会事故調査委員会が2012年7月に国会に提言したように「規制当局に対する国会の監視」、「新しい規制組織の要件」などの視点を化学物質管理の領域にも適用すべきことを提言する。
Keywords: SAICM , SAICM国内実施計画 , 化学物質総合管理 , 管理能力強化 , 意見公募手続き ,
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