化学物質総合管理による能力強化策に関する研究(その12)−独立行政監視機関は民主的統治システムに不可欠な機能−
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星川欣孝、増田優
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お茶の水女子大学 ライフワールド・ウオッチセンター
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前報で取り上げた米国のTSCA (有害物質管理法) の見直しに対するGAO (政府説明責任庁) の独立行政監視機能の重要性についてさらに考察するため、カナダおよびオーストラリアの化学物質総合管理法制への変革の経緯や既存化学物質の体系的なリスク評価の取組状況と両連邦政府の行政活動に対する独立行政監視機関の実績評価の状況などを調べた。その結果明らかなことはいずれの国の統治システムも立法府と行政府の関係が三権分立の想定する役割分担になっており、かつ、行政府の活動に対する独立監視機能が十分役割を果たしていることであった。それに対して日本の行政施策の質の改善に係る諸制度や独立行政監視機関の実態は三権分立が想定する機能を十分果たすものでなく、民主的統治システムに相応しい体制へ抜本的に変革することが望まれることを指摘する。
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Keywords: |
化学物質総合管理 , 民主的統治システム , 三権分立 , 行政監視機関 , 実績評価 , |
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[PDF (465.5K)]
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