化学生物総合管理

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第7巻 , 第1号 , (pp.19-25)
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ブレスレットに含まれる放射性物質とその規制
古田悦子、増田優
お茶の水女子大学 大学院
開運、健康目的のためにブレスレットを身につける人が近年急速に増加した。「鉱石」でできているブレスレットには、極微量放射性物質が含まれている場合が多い。一方、意図的に天然放射性物質を添加したものも存在する。ブレスレットやその原材料となる鉱石の一部に含まれる放射能を実測するとともに、それらからの被ばく線量を評価した。その結果を、国内外の規制、特に2007年国際放射線防護委員会勧告等と比較検討した。天然鉱石からなるブレスレットの一部には放射能濃度と被ばく線量が低くはないものが存在した。また、故意に放射性物質を添加したブレスレットの中には、正常使用の場合の全身被ばく線量値が公衆被ばく限度値の年間1mSvより低い場合であっても、身体近傍で長時間使用した場合の皮膚表面の被ばく線量が高くなる場合があった。このことから鉱石を原材料とするブレスレットは注視する必要がある。また、放射線防護の考え方からは、何かに放射性物質を添加することには正当性が必要である。国際的な動向を踏まえて、ブレスレットのような個人装飾品への放射性物質の故意の添加は禁止すべきであり、そのためのNORMガイドラインの改訂が必要であると考える。
Keywords: ブレスレット , 天然放射性物質添加 , 2007年国際放射線防護委員会勧告 , 正当性 ,
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