化学生物総合管理

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第6巻 , 第2号 , (pp.152-178)
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化学物質総合管理による能力強化策に関する研究(その11)−TSCAの修正は化学物質総合管理法制のさらなる進展−
星川欣孝、増田優
お茶の水女子大学 ライフワールド・ウオッチセンター
この報文では2010年4月と7月に米国議会に提出された2つのTSCA(有害物質管理法)修正法案を取り上げ、修正法案に掲げられる立法政策とそれを具体化する方策とを概観して法案が目指す修正の方向性について考察した。このTSCA修正は製造加工の現状申告制度、リスク評価の優先物質リスト制度、安全規準判定制度、最小データセット制度などの新たな制度を導入して現行TSCAの使い勝手の悪さを解消することに加えて、カナダやEUの類似法制の理念や方法論との整合性を高めて現行TSCAの実働性と透明性を抜本的に改善することを意図している。一方日本政府は、先般の化学物質審査規正法改正に際して衆参両議院が決議した「化学物質の総合的・統一的な法制度の検討」という重要課題さえも取り上げる気配にない。世界の標準である化学物質の総合管理に関する包括的な法律を制定し、かつ、化審法を含めて取締法的な法律体系を整理することは政府にとって喫緊の課題であることを改めて指摘する。
Keywords: TSCA , 有害物質管理法 , 化学物質審査規制法 , 国会附帯決議 , 化学物質総合管理 ,
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