化学生物総合管理

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第5巻 , 第2号 , (pp.127-151)
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化学物質総合管理に係る各セクターの活動評価
結城命夫、増田優
お茶の水女子大学 ライフワールド・ウオッチセンター
企業における化学物質総合管理の活動評価を2003年以降継続的に実施している。しかし、化学物質総合管理は企業だけの課題ではなく社会を構成するあらゆるセクターが当事者として重要な役割を担っている。そこで、企業の活動評価に加えて、人材育成機関としての大学、試験・評価の専門機関、行政・政府関係機関の3セクターについて活動評価を行った。活動評価を行うにあたり評価指標の開発を行った。セクター間でも相互に比較が出来るように評価指標は同一の枠組みと評価体系のもとに共通的な評価項目で構成している。
この評価指標体系を活用して4つのセクターの評価と解析を行った。企業における総合到達度は年々僅かずつ上昇が認められるものの、企業ごとのばらつきが依然として大きい。大学においては化学物質総合管理に関する認識度が未だ低い。試験・評価の専門機関はいわゆる検査や試験の領域にとどまっている傾向が強い。行政・政府関係機関においては分散的に個々に所管の範囲についてのみ管理が行われており、行政として指導的な役割を担うにはその体制と総合力に不備がある。このように各セクターを評価して比較することによって、個々の組織にみあったキャパシティ・ビルディングの努力の必要性が明らかになるとともに改善の方向が明確になった。
Keywords: 化学物質総合管理 , 評価指標 , 総合到達度 , セクター間比較 , キャパシティ・ビルディング ,
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