化学生物総合管理

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第5巻 , 第1号 , (pp.62-71)
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メチレンジオキシ・ピロバレロンの中枢神経作用−マイクロダイアリシス法を用いて−
不破達1、児玉亨2、本多芳子2、田中豊人1、久保喜一1、大橋則雄1、中江大1、小縣昭夫1
1東京都健康安全研究センター 2東京都神経科学総合研究所
脳内局所微量透析法(マイクロダイアリシス法)と高速液体クロマトグラフィーとの組み合わせによって、メチレンジオキシ・ピロバレロン(MDPV)投与によるマウス線条体内神経細胞外のドーパミン (DA) とセロトニン (5-HT) 量の経時的変化を調べた。それに加えて、行動量の測定実験と連続投与による中枢神経損傷の有無について、免疫組織化学による実験をおこなった。マイクロダイアリシスによる生体試料回収は10分間隔で行い、MDPV経口投与から2時間半後までおこなった。線条体内神経細胞外のDA量がMDPV投与から30分の間に210%、30分から60分の間に208%増加した。5-HT量の変化は観察されなかった。MDPVのDA作動性神経作用は類似薬物MDMA、METHと比較して緩やかで、短時間であった。なお、DA量と行動量の変化からマウス線条体内の神経細胞外DA量が200%以上増加すると行動量増加を引き起こすと考えられた。MDPVの神経毒性は今回の実験からは観察されなかった。
Keywords: マイクロダイアリシス , ドーパミン , メチレンジオキシ・ピロバレン , 線条体 ,
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