佐々木研究所における化学物質のリスク評価・管理に資する毒性病理学的研究.(3)内分泌撹乱化学物質,特にエストロゲン様作用を示す化学物質の評価にDonryuラット子宮体部発がんモデルの果した役割‐本モデルを用いた即時型影響 (androgenization) と遅発型影響 (delayed anovulatory syndrome DAS) の発現機序と子宮発癌との関連性‐
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吉田 緑
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財団法人佐々木研究所病理部
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内分泌撹乱化学物質が持つ最も重要な問題は次世代への影響である.胎生期・新生児(仔)期曝露が成熟動物と異なる点として,視床下部・下垂体・性腺系の制御系および発育・分化過程への不可逆的障害,およびこれらの障害に対する高感受性を示す時期(windowまたはcritical point)の存在が挙げられる.筆者らは各種化学物質の子宮癌への影響検出モデルとして開発されたDonryuラット二段階子宮発癌モデルを用いて,内分泌撹乱化学物質の新生児(仔)期曝露による生殖器および子宮癌発生への影響を観察した.その結果,曝露時期による違いにより生じた即時型影響(androgenization)と遅発型影響(delayed anovulatory syndrome, DAS)の発現機序が子宮発癌にまで関連していることが明らかとなった.
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Keywords: |
Sasaki Institute , toxicologic pathology , endocrine disrupting chemicals , endometrial adenocarcinoma , Donryu rat , |
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