佐々木研究所における化学物質のリスク評価・管理に資する毒性病理学的研究.(2)長瀬無アルブミンラット
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高橋正一
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財団法人佐々木研究所病理部
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長瀬無アルブミンラット(NAR)はSprague-Dawley (SD)系ラットから確立された常染色体劣性遺伝による無アルブミン血症を呈するミュータントラットである.NARは著しい血清アルブミン低値と共に高コレステロール血症をともなっている.血清アルブミンはNARで著しく低下しているがグロブリン分画の蛋白群が増加して血清総蛋白量は正常ラットと変わらない事を特徴としている.アルブミンは色々な物質(胆汁酸,ステロイドホルモン,薬物,毒素,発癌物質等)の結合蛋白として知られていることから,発癌機構におけるアルブミンの影響についてNARを用いて多くの発癌実験がなされた.その結果,NARはアルブミンの薬理学的・生理学的動態の研究や発癌機構の解明に有用なモデル動物である事が判明した.
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Keywords: |
Nagase analbuminemic rat , hyperlipidemia , carcinogenesis , albumin , RNA splicing , |
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[PDF (252.8K)]
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